お正月を日本で過ごし、香港へ戻るはずだったある日のこと。
搭乗も完了し、あとは離陸を待つだけ――そんなタイミングで、私の乗っていた香港行きのフライトが突然欠航になりました。
今回はその体験を、これから海外旅行や帰省で飛行機を利用する方の参考になるよう、**「フライト欠航」「離陸直前トラブル」「多言語アナウンスの混乱」「航空会社の対応」**という視点でまとめます。
離陸直前に突然のアナウンス|機内に広がる緊張感
搭乗後、滑走路へ向かう前の静かな時間。
突然、英語と広東語のアナウンスが入りました。最後に日本語。
内容は「機体のメンテナンス上の問題が見つかったため、すぐに降機してください」というもの。

え、いますぐ??
状況がまったく飲み込めないまま、周囲の乗客たちもざわつき始めました。
通路では客室乗務員(CA)が広東語で何かを説明していましたが、私は理解できず。英語の説明もあったものの、アクセントが強く、何を言っているのかほとんど理解できませんでした。
「わかりやすい英語」は誰のためのものか?
普段、英語に多少のアクセントがあること自体は当然だと思っています。私たちも第二言語として話しているのですから、お互い様です。
けれども、緊急時となると話は別です。
このとき痛感したのは、
「職種によっては、できるだけ多くの人に伝わる“わかりやすい英語(Intelligible English)”が必要なのではないか」ということ。
ネイティブ話者なら聞き取れる発音でも、第二言語として英語を学んできた人にとっては、自分の国のアクセント以外は急には理解しづらいことがあります。
特に飛行機のような国際空間では、
- 日本語話者
- 広東語話者
- 英語を第二言語とする人
- 英語ネイティブ
さまざまな背景の人が同じ機内にいます。
「通じる英語」とは何か。
今回の体験は、英語教育に関わる立場としても考えさせられる出来事でした。
荷物を置く?持つ?アナウンス内容の食い違い
さらに混乱を招いたのが、言語による指示の違いでした。
英語では
「荷物は置いたまま、すぐに降りてください」
一方、日本語では
「荷物を持って降りてください」
え?どっち?
後方座席だった私たちは、前の乗客がどう動くかを見ながら判断するしかありませんでした。後ろの席の方がキャリーケースを下ろそうとしたところ、客室乗務員が強い口調で英語で叫びました。
「Leave your baggage! Get off immediately!」
その瞬間、「なに?爆発の恐れでもあるの?」と背筋が凍りました。
最後まで残るCAの姿に救われた
私たちは後方席だったため、なかなか降機の順番が回ってきません。
正直、とても怖かったです。
もし本当に危険な状態だったら?
けれど、最後まで機内に残り、冷静に対応していた客室乗務員の姿を見て、少し安心しました。
彼らは常に最後まで乗客を見届けます。
その姿勢に、改めてプロフェッショナルを感じました。
欠航決定からホテル到着までの長い待機
13時過ぎに機体から降ろされましたが、正式な欠航の通知が出たのは夕方。
航空会社が手配したホテルに到着したのは20時頃でした。
空港での手続きは、驚くほどアナログ。
紙のリストで一人ひとり確認。
名前を書いて、番号を呼ばれて…。
思わず、PTAで卒業式や入学式の出席確認を手作業でやったときのことを思い出しました。
なぜこの時代に、まだ紙?
デジタル化が進む中、緊急時対応の仕組みはまだまだ改善の余地があると感じました。
多言語を話せる人の力
空港で待っている間に行われた説明はほとんどが日本語で、時折英語でなされるといった感じでした。長時間待たされていることに加え、今後の見通しもよくわからない状況で、フラストレーションを感じる人も少なくなかったと思います。
印象的だったのは、日本語と広東語の両方を話せる香港人と思われる男性が、積極的に通訳をしてくれていたことです。
日本語のみの説明の場面では、周囲の香港人に広東語で内容を伝え、ホテル手続きでも間に入って助けていました。
複数言語を使いこなせる力。
それは単なるスキルではなく、「人を助けられる力」でもあることを改めて実感した一幕でした。
欠航時の補償内容は?
今回のケースでは、
- 交通費:3,000円支給
- 食事クーポン:1,000円分
- 必要な乗客にはホテル無料提供
- 翌朝の便へ振替
という対応でした。
大きな混乱はあったものの、最低限のケアは受けられました。
欠航は不運?それとも幸運?
正直、最初は「ついてない」と思いました。
けれど冷静に考えると、
離陸後にトラブルが起きるより、地上で見つかったことの方が何千倍も幸運だった、ということです。
テレビで見る事故やトラブルは、他人事のように感じてしまいますが、
でもそれは、いつ自分の身に起きてもおかしくない。
「自分は大丈夫」と思えなければ、飛行機には乗れない。
けれど同時に、「絶対」はないのも事実です。
その現実を改めて突きつけられた出来事でした。
まとめ|フライト欠航から学んだこと
今回の香港行きフライト欠航を通して感じたのは、
- 緊急時の多言語コミュニケーションの難しさ
- Intelligible English(わかりやすい英語)の重要性
- アナログな空港対応の課題
- 多言語話者の価値
- そして、航空安全のありがたさ
海外旅行や国際移動が当たり前になった今だからこそ、
「安全」「言語」「情報共有」の在り方を改めて考える必要があるのかもしれません。
欠航は確かに大変です。
でも、生きて無事に翌日の便に乗れたことが何よりでした。
飛行機に乗るたびに思うこと。
それは、「今日も無事に飛んでくれてありがとう」という気持ちです。









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