香港の旧正月に欠かせない文化が「利是(ライシー)」です。既婚者から未婚者へ、また職場や近所の人へと渡される赤い封筒のお金。20HKDから100HKD以上まで幅がある金額相場や、実際に暮らしてみて分かったマナーやタブーを、体験談を交えて解説します。
香港の旧正月と「利是(ライシー)」文化に戸惑うの巻
香港では旧正月になると、街全体が一気に祝祭ムードに包まれる。
アパートのエントランスでは今年もライオンダンスが披露され、朝から太鼓の音が鳴り響いていた。爆竹と赤い装飾、そして人々の高揚感。日本のお正月とはまた違う、エネルギーに満ちた時間だ。
そんな華やかな季節に、毎年密かに頭を悩ませるものがある。
香港版お年玉「利是(ライシー)」だ。

ライシーの相場は?20HKDはケチ?
ライシーは赤い封筒(レッドポケット)に入れて渡すお金のこと。
基本的には既婚者から未婚者へ渡すのが習わしだが、同僚同士や友人間でもやり取りされる。
金額の目安はというと、
- 20HKD(約400円)
- 50HKD
- 100HKD
- 多い人では500HKD
関係性によって幅があり、正解はない。
わが家の場合、主に渡すのはアパートの管理人、清掃スタッフ、受付の方たち。
旧正月前には銀行に行き、できるだけきれいなお札に替えてもらう。前日は行列ができるほどの混雑で、旧正月の本気度を感じる瞬間でもある。
ただし問題は、20HKDは「ケチ認定」される可能性がある、という噂。
実際に誰がいくらもらったか覚えている人は少ないと思うのだが、それでもやっぱり気になる。
金額は気持ち、とよく言われる。
でも正直なところ、「気持ち」というよりもメンツや空気の問題のようにも思える。
「恭喜發財」—お金がもうかりますように
旧正月の挨拶の一つに、
恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)
という言葉がある。
意味は「お金がもうかりますように」。
まさにその言葉を交わしながら、ライシーを渡す。
読んで字のごとく、富を願う祝祭だ。相手がこの言葉を自分に言ってきたら「お金ちょうだい」の意味と捉えていいと香港人の知り合いは言っていた。逆に、自分からこのセリフを相手にいう場合にはちゃんとライシーを用意しておかないといけないらしい。ライシーをあげるつもりがなくて、単に新年の挨拶なら、「新年快樂(サンニンファイロッ)」と言うのがいいとのこと。
アパートのスタッフのポケットがレッドポケットで膨らんでいる様子を見ると、この文化のダイレクトさに毎年少し驚かされる。
縁起を重んじる文化
香港人の知人から聞いた話では、かつて葬儀関係の仕事をしている人はこの時期に旅行へ行くことがあったという。
自分の商売の繁盛を祈願されることが、「人が亡くなることを喜ぶ」ように聞こえてしまうからだそうだ。
縁起を大切にする文化だからこそ、言葉にも行動にも敏感になる。
ぱんだ旧正月(特に当日)には「やってはいけないリスト」がたくさんあるんだって。



へー、例えば?



髪を切らない、掃除をしない、とかはよく聞くね。3日目に当たる日なんかは「喧嘩をしやすい日」ってことで親戚の家に行くことを控える人もいるみたいだよ。
誰に渡した?顔が覚えられない問題
困るのは、この時期は顔を合わせるアパートのスタッフの人数が増えること。
普段見かけない人が別棟から来ていたり、交代勤務が細かくなったりする。
外出前には「今日は誰がいるか」を確認して封筒を用意するのだけれど、最近どうも目が悪い。
少し離れると、ほぼシルエットしか分からない。
長女に「ママ、人の顔覚えるの苦手?」と聞かれて、はっとした。
確かに私は、数人を除いてほとんど顔を覚えていない。
同じ人に二回渡してしまう未来が、容易に想像できる。



この人、昨日あげた人に似てるけど、どうだったっけ・・・
渡し忘れたらどうする?
結論から言うと:
👉 あとから渡しても問題ありません。
香港では旧正月の挨拶期間は
だいたい2週間ほど続きます。
その間なら、後日会ったときに渡せばOK。
でも、この期間はとにかくお金が必要になるからできるだけ家に引きこもって誰にも会わないようにしてるという人もいる。
お金は人を変える?それとも文化が人を動かす?
この時期は、どのお店もどのスタッフも、どこか愛想が良い。
それがライシー効果なのか、単なる祝祭ムードなのかは分からない。
ただ一つ言えるのは、金額の多寡だけでは測れない事情が人それぞれにあるということ。
20ドルを出すことが簡単ではない人もいる。
だから結局のところ、答えは一つ。
「あなたが決めていい」



香港人や日本人、何人かに聞いたけど、やっぱり人によって配る範囲も額もかなり違う印象。自分と相手の関係性、財布事情を考えて、自分なりにお祝いと感謝の気持ちが表せたらいいんじゃないかな。
なにはともあれ
二週間ほど続くライシーのやり取り。
早く日常が戻ってほしいと思いつつも、このエネルギーは嫌いではない。
なにはともあれ、
この新しい一年がみんなにとって素晴らしい一年になりますように。






恭喜發財。







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